マウスガードQ&A
- 1.マウスガードでなぜ、首のけがや脳しんとうが防げるのでしょうか?
- マウスガードを装着すると首の筋肉の活動が高まり、首のけがを防げる可能性が報告されています。また脳しんとうは頭に加わった力の大きさよりも、頭に加わった加速力、言い換えればいかに速く頭を揺さぶるかが原因と言われています。さらなる研究が必要ですが、マウスガードにより首の筋肉がしっかり働けば、頭を揺さぶる加速力に対抗でき、脳しんとう予防への効果が期待されています。
- 2.小学生で、まだすべての歯が永久歯にはえ変わっていないのですが、マウスガードは必要なのでしょうか?
- お口のけがが増えるのは、筋肉も発達し、プレーのスピードが飛躍的にのびる中学生以降と言えます。ですからこの時期以降はぜひマウスガードをお勧めします。しかし小学生の時期にも頻度は低いですが、お口のけがは起こっています。ただこの時期はどんどん歯がはえ変わりお口も成長しますので、それに合わせて頻繁に、マウスガードを作りかえる必要がでてきてしまいます。かかりつけの歯科医とよく相談されて、出来ることなら使われることをお勧めします。
- 3.マウスガードを使っていれば、すべてのけがが防げるのでしょうか?
- 吸収できる衝撃の限界を越えた場合、マウスガードを装着していてもお口のけがは起こり得ます。ただしそのけがの程度は、装着していなかった場合よりも小さくなると言えます。
- 4.どんなマウスガードが良いのでしょうか?
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マウスガードには歯科医院でそれぞれ個人のアゴの型を取ってそれに合わせて作るものと、販売店で入手できる既製品とがあります。既製品は熱で軟化して自分で口に合わせるものですが、私も何度も試してみましたが、口を開けるとすぐに落ちたり、咬み合わせが難しかったりして、自分にフィットしたものにはなりませんでした。それに対し、歯科医院で作るものは、自分の口にピッタリとフィットし、咬み合わせも調整してもらうことができ、充分その機能を果たせるものだと感じました。
- 5.マウスガードを作るのには何日かかって、いくら費用がかかりますか?
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歯科医院で自分のアゴの型を取る日とそれを調整して装着する日とで、2回で出来上がります。期間は2~3日から1週間ぐらいを見てください。製作費用は保険がききませんので私費扱いとなります。費用は材質などの差により異なりますが約5千円~2万円くらいと考えてよいかと思います。
- 6.大きなマウスガードを口に入れて気持ち悪くありませんか?
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マウスガードを入れる時間を少しずつ長くするとか、最初は少し小さめのマウスガードを作って慣れるようにするとかの工夫が必要と考えられました。
- 7.最近、サッカーでもマウスガードを使った方がいいと聞きましたが、これはどうしてですか?
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サッカーもラグビーと同じように相手と接触のあるコンタクトスポーツで、口やアゴの傷が多いことも1つの理由ですが、サッカーボールをヘディングすることによる脳への影響が最近問題になっています。イギリスでは少年サッカー選手にマウスガードを義務化しようという動きがあります。アメリカでは小学生は脳への障害を考えてヘディングを禁止すべきだという報告もされています。私が調査した高校のサッカー部員にマウスガードをしてヘディングしてもらったところ、3割の生徒が「頭への振動が軽くなった」と答えていました。
- 8.マウスガードはどのくらいで作り変える必要がありますか?
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使い方にもよりますが、成人では1年くらいで表面が磨り減ってきて、新しく作り変える方がいいでしょう。ただし、成長期の子供の場合は、歯が萌えたり、顎が大きくなったりして、マウスガードが合わなくなりますので、3ヵ月に1度くらいは調整したり新しいものと交換する必要があると考えられます。