Q)かみ合わせと健康の関係とは
A)それでは最初に「カイロプラクティック」という言葉の解説をさせていただきます。
新辞林によりますと
19世紀末にアメリカの民間で創設された神経機能障害に対する治療法。 脊椎の歪みを整え、神経機能を正常化させ、組織や器官の異常を治す。
現在まで頭痛や肩こり、腰痛、耳鳴り等、さまざまな体の症状と、かみ合わせとの関係について論じられた ことがありませんでした。ところが最近やっとかみ合わせと全身症状との関係が指摘され始めました。
Q)そうですか.頭痛もかみ合わせが原因なのですか?
A)今や国民病とされる、頭痛。 日本人のおよそ4割が頭痛を訴えており、その治療費たるや年間3000億円です。 筋緊張性頭痛は、筋肉が緊張し、こりすぎて起こる頭痛で、CTやMRIをとって検査しても何も悪いところがありません。 体を温めて動かすように指示が出て、痛み止めをもらい、痛みがあるたびに薬を飲み続けるのが一般的です。
Q)では筋緊張性頭痛の原因である、筋肉の緊張はなぜ起きるのでしょうか?
A)筋の緊張は体の構造の歪から起こっているものがほとんどです。 まっすぐであればどこの筋肉も緊張しません。 ところが骨格がねじれると『ねじる筋肉』、『ねじられまいとする筋肉』がお互いに綱引きをし始めます。 持続的に緊張し続けると、こりにつながっていくのです。 肩こりしかり、腰痛しかり。 歪を開放するのが必要となります。
Q)からだの歪みとは?
A)人は無意識のうちに楽な姿勢をとります。 椅子に座ったときに足を組んだり、机に頬杖をついたり、直立時に左足を前にだして休めの姿勢をとったり。 その姿勢一つ一つに体の歪みがにじみ出るのです。 すごく腰が曲がったおじいさんもいらっしゃれば、まっすぐしゃんとなったおじいさんもいらっしゃいます。
この違いは、若いころの小さな歪みが、年とともに増幅して前後左右に歪んだ結果なのです。
体が歪むとからだの中のどこかが圧迫されます。 そのため、息を吸う量の減少、内臓系や神経系への慢性的な圧迫、体循環の悪化など、新陳代謝の低下に伴う思いもよらぬ問題がやってきます。 これが『ずれた姿勢は万病の元』と言われるゆえんです。
Q)それではずれと歯科治療の関連性についてお聞きしたいのですが?
A)あごの位置は体のバランスに随分影響を与えます。 あごの位置がずれると、そのずれを補正するために首、肩、腰も微妙に位置を変えます。 頭の重さは、首の骨にのり、腰の骨にのり、骨盤にのり、足にのります。 頭の重さは成人で平均6kgもあり、その重さは大変なものです。 だるま落としの場合、バランスを崩すと頭は落ちてしまいます。 しかし、人間は筋肉と神経がまがりなりにフォローします。 頭の重みが骨の中心にのりきれていなくても、筋肉が、神経が頑張ってしまうのです。 肩こり、頭痛、手足のしびれ、五十肩…。
歯科治療として、顔のゆがみや姿勢のずれを口の中だけではなく、体全体のバランスを見ながら整えていくことが大切なのです。『ずれた姿勢は万病の元』。逆に言えば、ずれた体を本来あるべき位置に戻せば、自然と新陳代謝は向上します。
Q)顎関節症ということでしょうか?
A)顎関節症とはあごの機能すなわち、咀嚼、嚥下、発語などがかみ合わせの崩壊によって、正常な機能が異常な機能になり、顎関節や咀嚼筋に障害が生じ顎関節症となります。他に、正常な機能とは別に病的な機能として歯ぎしり、かみしめなどがありこれらも、あごを異常にし、顎関節や咀嚼筋に障害を生じさせ顎関節症になります。
そして、かみ合わせの崩壊や不正咬合から生じるあごの位置の異常により全身的な症状を生じるものは、咬合異常関連症、顎機能異常症などと別けて考えるべきでしょう。
顎関節や咀嚼筋に問題を持たない方が、いわゆる顎関節症でない、あごの位置の異常により全身的症状を訴えるケースも少なくなく、全身症状のひとつが顎関節に生じたものを「顎関節症」と考える方が妥当とおもいます。