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歯の根の治療について

Q)それでは本日は歯の根の治療についてお聞きしてみましょう 。

A)虫歯の進行と重症度の度合いについておさらいしてみましょう。

Q)虫歯はどのように進行するのでしょうか?

A)6月4日の虫歯予防デー。学校・幼稚園・職場などで歯科検診が実施されます。その結果、虫歯が発見された方も少なくないと思います。
虫歯の進行状況を表す際に、C1、C2などという言葉を使います。実際にどのような状態なのか簡単に説明します。

C0(シーゼロ)
これはC0といわれ、虫歯になる前兆です。要観察歯ともいわれます。 歯は白濁している状態で、この段階で充分に手入れをすれば虫歯に進行せずにすみます。

C1
表面のエナメル質が溶けはじめた、浅い虫歯。ほとんど痛みはありません。この段階での治療は虫歯の部分を削除して修復材をつめるという比較的簡単な治療ですみます。

C2
虫歯が進行し、象牙質まで達しています。象牙質はエナメル質ほどかたくないので進行が早く、虫歯の穴が歯髄に近づくにつれて冷たい物がしみるようになります。治療はC1とほぼ同じですが、深いものは歯髄を保護する処置が必要になります。また、穴が大きくなっているものでは型をとって金属などの詰め物を作り、これを装着します。金属性以外の白い色のものもあります。

C3
虫歯が歯髄まで達していて、大きな穴があいています。C2で冷たい物がしみていたのが、しだいに熱い物に痛みを感じるようになり、その痛みの持続時間が長くなっってくるとしだいにこの状態に近づいていると考えられます。 虫歯が歯髄炎を起こすと、なにもしなくても ズキズキ痛むようになり、歯髄を取り除く処置を行なわないと痛みを抑えることはできません。さらに炎症が進行すると歯髄が死んでしまいます。こうなると不思議といったん 痛みがおさまる時期があります。しかし、このまま放置していると…
歯髄が死ぬとばい菌が歯髄腔を通って根の先の先端部に病巣をつくります。歯を噛み合わせた時に歯の根の先のあたりに痛みを感じるようになります。これがだんだん進行すると何もしなくても激しい痛みが続くようになり、さらに、根の先の病巣が大きくなると歯ぐきが腫れたり、膿が出て来たりするようになります。
C3以上に進行した虫歯の治療には「根管治療」といわれる、歯の根の治療が必要です。歯髄が死んでしまった歯は非常にもろくなりますので、クラウンなどの かぶせものを 装着することになります。 根の先の病巣があまりに大きくなりすぎたり、虫歯の部分がひろがりすぎて健全な歯質が ある程度確保できないケースでは最悪の場合 歯を抜くことにもなりかねません。

C4
歯冠部がほとんどなくなり、根だけが残っている状態です。歯の根を使ってさし歯にするのに充分な健全歯質がのこっていればC3の場合と同じように 「根管治療」を行ない、この根を使って土台を作り、さし歯を装着します。しかし、健全な歯質が残り少なかったり、根の先の病気が非常に大きくなっている場合には抜歯になることもあります。

Q)詰めていたものが取れたので歯科さんにかかったら、神経の処置が必要と言われたのですが…。

A)詰めてあった物の周囲あるいは下が虫歯になっていたと考えられます。しかし強く歯がしみるとか黙っていても痛みがある(自発痛)などかなりの症状があれば別ですが、そうでないのであれば歯の神経の処置(= 神経を抜く/拔髄)をする必要はないと考えられますが、この場合の神経をとる、とらないは、よく歯医者さんと相談してもらいたいです。
神経を取ってしまいますと、いわゆる歯がもろくなってしまうので、場合によっては歯の周囲を 削って冠を被せることになります。これは自分の歯を多く削るということで、大変もったいないことです。現在は、考え方や材料などの進歩で、歯および歯の神経もかなり保存可能になっています。

Q)以前に神経をとって銀歯などをかぶせた歯の再治療が必要と言われたのですが ?

A)その歯になんらかの症状(痛み、腫れなど)がある場合と症状がなくともレントゲン写真で根の先まで白いものが詰まっていなかったり、根の先に黒い広がり (根尖病巣) が発見されることがあります 。歯の神経を抜いた後や汚れた根の中を清掃した後(根管治療)には、人工の材料で根の中の管 (根管) を根の先まで詰めますが、きっちりと隙間なく詰めることによって将来根の先に病変が出てくる可能性が極めて少なくなります 。
歯の中への細菌の感染の度合いや、根の曲がり具合、根管が閉塞していたり極端に狭窄していたりして、治療しても根の先まで白いものが達しない事がありますが、それについては歯科医側より説明がされると思います。

Q)歯の根の治療は、治療回数や時間がかかって通院が大変なのですが…。

A)歯の根の治療は時間がかかります。これは非常に細かい作業ですので、もちろん治療する歯の根の状態にもよるのですが、回数や時間がかかるのが普通です。
直接は見えない根の中をその先端まで清掃していくので、まずは正確に根の長さを測定しなければなりません。また治療中に外から唾液が入り込むとせっかくきれいになった根管内が再汚染されてしまいます。
また治療前に痛みなどの症状 あるいは膿が出ていたりすると、そうした症状が消失するのを待ってから根の中を詰めなければなりませんので、詰めるのを少し待ったりします。さらに奥の歯 (臼歯)は1つの歯に3~4本の根管があります。様々な理由で、どうしても時間がかかることが多いのです。

 
最後に、歯の根の治療は乳歯と永久歯とでは処置の内容が変わります。永久歯でも根の先まで完成した成人と 就学児童生徒の年齢の子供とでは、処置方法は異なります。しかしながら、家で言うならば、基礎、土台の治療となりますので、歯科医師はその処置にはかなり、時間をとり神経を使います。なるべく、この段階の虫歯にならないうちに、処置できれば、それに、こしたことはないでしょうね。

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